2011.11.



 私は、ぶきっちょ(不器用)である。
特に家事が苦手である。
おや?であるなんて・・・エッヘンと言うことですかと、奥様達からお叱りを受けそうだが、料理が得意でもなく、日曜大工も苦手で、旭が破った障子や襖、壊れたおもちゃもそのままでなおせない。
「パパチ、シュリ(パパ、修理)」
と消防車を持ってくる息子に胸を痛めるパパ。
見かねた義父がなおしてくださる日々。
ああアリガタイ。
でもやっぱり、「生活力」が足りない気がする。
新婚時代ならまだしも子供が生まれるとこれが厄介で、気が済まなくなる。
ママは息子につきっきりで大忙がし。
何もできない新米パパは、ママの後ろを追いかけながらの子育てのお手伝い。
さしあたって、旭を風呂に入れたり、掃除したり、後片づけやごみを出したりするくらいだからたかが知れている。
「お願いね」と言われなくてもして欲しいと何度思われていることだろう。
「足手まといな私」と頼りない自分にめげる日々。
だから、隣の芝生がちょっと気になったりもする。
世の男性陣は家事をどの位手伝っているのだろう?
私が救われる情報はないかしら?
ある新聞記事の「家事・手伝いランキング」の上位3位は、「買い出し、料理、洗濯」とあった。
でも、どれにも該当していない。
ちなみに下位は「そうじ、トイレ掃除、洗濯をたたむ」だった。
なんと! どれも私が「苦」にならないものばかりじゃないか。
メジャーなパパじゃなかっただけなんだね!?

 その夜、旭とベランダに出た。
月が輝いていた。
旭は月が大好き。
絵本の「おつきさまこんばんは」がお気に入りでよく読む。
「旭、お月さまやね、三日月だよ」
「ミカァキ」
「そう、三日月」
「ミカァキ、パパチ、シュリ」
「え!?」
空を指さす旭。
「シュリ」

 息子よ、パパには出来ないことがたくさんあるんだよ。
ましてや欠けた月を元通りに丸くするなんて到底できません。
だから、許しておくれ。
私の手を離れた旭はひとり消防車を転がして笑っていた。
昇より


















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