2011.12.



 11月29日は結婚式記念日だった。
あっという間の3年だった。
今年はもつ鍋でお祝いした。
ちょっとしたサプライズも・・オレンジのバラの花束をママにプレゼントした。
メッセージカードには「いつもありがとう」の意味を込めた旭特有の文字? が添えられている。
ママはふふふと笑ってバラを花瓶に活けて玄関に飾ってくれた。
その席で週末は海へ散歩に行こうとなった。
が当日になってママが風邪をこじらせてしまい、急きょ二人で行くことに。
二人で出掛けて大丈夫かなと「はじめてのおつかい」のように心配する母親の気持ちをよそに、TVCMの反町隆史よろしく「男旅」気分で出かけた。
途中シーモールへ寄りお歳暮の発注を済ませ、お昼のパンを買って西山海岸に着く。
日曜日の午後の海岸はとても静かで人影もまばらだった。
いつもは風の強いこの町もこの日は穏やかで、彦島道路沿いに立つ風車も止まっていた。
旭は海を見て「やったやった」を連発して駆け出した。
でも嬉しいわりには波打ち際に近づこうとしない。
ざざざと寄せては返す波が怖くて「いやいや」をする。
臆病なところはどうも私に似ている。
折れた枝を持って砂をつついたり、砂浜に魚や船や車の絵を描いて遊び、海を見ながら二人でパンをかじった。
波音が心地良い。
昔からこの海は何度も訪れていたが旭と来るのは初めてだ。
ここ近年整備され名前も「ひこっとランドマリンビーチ」に変わったが、私には「西山海岸」の方がしっくりくる。
ここで泳ぎ、ここで遊び、ここで語った思い出ある場所だ。
こうした何気ない日常風景の中に人それぞれの思いがある。
2歳に満たない子には今日の記憶は残らないかもしれないが、この子が大きくなっても喪失することのない帰る場所が確かにあることを私は望む。
空を見上げるととんびがゆっくり飛んでいた。
旭の横顔を見る。
私とそっくりだった。

 帰りの車中で眠った旭を抱っこして玄関を開けるとバラの香りがした。
昇より



















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