2012.03.



 休日に家族3人で、唐戸西の端の銭湯噴泉湯へ行った。
番台でお金を払ったママが
「こないだ私が旭を預かったから今日はお願いね。」
と言って、女湯の暖簾をくぐって行った。
旭は初めての男湯。
おじさんたちがいる脱衣所では少しおびえ私に体をすり寄せてきた。
でもすぐにカゴを電車に見立て並べ始める。
今度はなかなか脱いでくれない。
機嫌を取り服を脱がせ男湯へ入る。
旭は広い浴槽を見て驚いていた。
ここの湯加減は弱冠熱い。
2歳児には熱すぎるかなと心配していた。
案の定おっかなびっくりになり湯船につかろうとせず端に座り込む。
私の手首につけていたロッカーのカギを取り何度も湯船につけて遊び始めた。

 気分を変えようと露天風呂に連れて行くも薬湯の白さを怖がって入ってくれない。
天窓から夜空を眺め「旭、星が見えるぞ」と言って微笑む親子のひとときを期待した私が甘かった。
子育てにロマンは禁物。そんなこと言ってる暇がない。
体を洗うときに湯が顔にかかるのを嫌がり少し騒いだ。
隣の男性に申し訳ないと伝えると
「いえいえ」
と笑って許してくれた。
ホッとする。
旭が湯船の周りを歩き始めると
「そこは滑るから気をつけるんよ」と常連らしき人が注意してくれた。
「男の子かね。」
「はい。」
「最初女の子かと思っとったけど、ツイちょるけえねえ。」
と会話が弾む。
気が付くと旭は小学生のお兄ちゃんが遊んでくれていた。
結局、終始旭のペースでお風呂に入ったような、入らなかったような…

 男湯を出ると、ロビーのソファに腰かけていたママが
「楽しそうな声がよくしとったね。」
とほっこり笑った。
女湯にはそんな感じに聞こえたらしい。
事の顛末を話し、女の子に間違われたことに「まんざらでもないね」なんてくだらないことをのろけながら3人で帰った。
早く休もうとお布団を敷くと旭が駆け寄ってきて、布団の上にドカンと座り込んだ。
「ぱぱ、お風呂大きいねえ。」

 お見立てがよろしいことで。
昇より



















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