2013.09.



 旭の初めての運動会がありました。
会場は揃いのTシャツを着た園児たちや応援に訪れた家族でごった返し、賑やかな音楽が鳴り、風船ゲートや大玉、輪投げなどの遊具が揃えられ、運動会独特の雰囲気に包まれていた。
じぃじとばぁばに連れられご機嫌で会場入りした旭でしたが、この空気に臆したのかとたんに不機嫌になり、会場の隅にうずくまり動こうとしません。
整列の時間になっても「イヤッ」と駄々をこねママのスカートの中に隠れる始末。
どうにかこうにかなだめすかして連れて行き整列させましたが、大丈夫かな?と気をもむ私たちの予想は的中。
体操の時間になっても体操しない。
「ちゃんとしゃんとゴー」と掛け声もあげない。
お遊戯の時間になっても「パパと行く」と言ってきかない。
仕方がないので一緒にお遊戯。
ダンスの時間になりました。
これは親子競技。
足が完治していないママに変わって私が一緒に踊る。
ニコニコしてる。
「おっ、だいぶ会場になれたぞ」と好感触をつかみ、両親にも報告し「これならかけっこも大丈夫」とお墨付きを頂く。
しかし予想に反し一人じゃ出ないと言ってきた。
聞けば旭のひとつ前のグループの子が転んだところを見てしまったから。
拍手と声援がこだまする中旭の順番が回ってきた。
旭は動こうとしません。
後回しにして頂きこの競技だけは一人で頑張ってほしいという想いと願いを込めて見つめる。
この日のために練習もしたし「これ食べたら足が速くなる?」と聞いてきたから「そうだよ」と答えたニンジンもたくさん食べたじゃないか。
旭はそんなことはどこ吹く風という顔をしている。
もう「パパと一緒に走る」と繰り返し主張するだけ。
仕方がないので一緒に走った。
私の後を歩き、私が走るとつられて走り出した。
テープを切ってゴールをしたのは旭。「よかったね。できたじゃないか。」と褒めてあげるとやっとにっこり笑った。
ほんの数メートルの出来事だったけど走ってくれて嬉しかった。

 ご褒美にその日オープンした「はい!からっと横丁」の観覧車に連れて行った。
旭ははしゃいでいる。
緑のゴンドラの中で「何で今日せんかったん」と聞くと「みんながいて恥ずかしかったんよ」と答えた。
そっかとママと目を合わせて笑った。
海峡に陽が沈み辺りが暗くなる。
帰ろうとすると観覧車に明かりが灯った。
私にはそれが花マルに輝いているように見えた。
昇より



















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