2014.04.



 ママからメールが届いた。
「ちょっとこれ見て」
添付された写真には、局の帰り道に石段の上で指をピストルのようにしてポーズをキメた旭が写っていた。
「これ、スタイリッシュな顔なんだって!」
えっ? スタイリッシュ?
確かにいつもの旭とは一味違ってるような…
眉間にしわ寄せ鼻筋脇からほうれい線をにじみ出し、含みを持たせた口元から不敵な笑みを浮かべた男の子が人様の玄関先でキメている。
これがスタイリッシュ?
言葉の持つ意味(当世風、ハイカラ、洒落ていること)と顔がアンバランスで結びつかず思わず噴き出した。
どうだと言わんばかりの顔はともかく、スタイリッシュという言葉をどうして知っているんだろう。
いつ覚えたの?
どうして今その言葉を使ったの?
ホント、驚かされる。
皆さんもありませんか、こんな体験。

 我が家に例えれば、携帯が振動して着信を知らせていると「パパ、ケータイおならしてるよ」と教えてくれます。
テレビを見ていて画面と同じ言葉をすらすらそらんじたりもします。
「この番組はご覧の提供でお送りいたしまーす。」
こんなこともありました。
毎年恒例のお花見の席で恥ずかしがることもなく舞台を仕切り「♪桜咲いたら一年生、ひとりで行けるかな」と口をとんがらせて大声で歌い、足を前後に独特のステップまでも披露して得意顔になっていました。
パパはそんな踊り見たことないんだけど!
拍手喝采を浴びた旭は、例のスタイリッシュな笑みを浮かべていましたけどね。

 会社から帰って旭に「スタイリッシュって言葉何で知っとるん」と聞いてみると「山中のおばあちゃん」と答えました。
母に確認すると「身に覚えなし」。
旭も何かの拍子に聞いて咄嗟に思いつき使ったのか定かではありませんでした。
事の経緯だけ辿れば顛末は味気ないものですから、子供の世界を詮索し過ぎることが粋(スタイリッシュ)ではないんだなと野暮なパパは旭に教えられたのであります。
昇より

















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