2017.01.



 下関市豊浦町の鬼ヶ城に登りました。絶世の美女を覗き見した鬼が弓で目を射抜かれて この山で絶命したという伝説が残る鬼ヶ城。標高 619,6m。山頂までは約 2500m で 1 時間 30 分の行程です。登山口で備え付けの杖を借りて出発。ごつごつした石を踏み、川のせせら ぎを聞きながら暫く杉並木を歩きました。意気揚々と登る私たちの行く手に赤い大きな実 を付けた植物が見えます。「イチゴかね?」と言った旭が触ってみましたが、実は固く匂い もしません。口にするのを躊躇うような赤色で、鬼の好物かもしれないと思うと気味が悪 くなったので足早にその場を去りました。(この植物はマムシグサ。食べると口がしびれる そうです)豊洋中美術部制作の看板を頼りに、つづら折りの山道を登ります。落ち葉を踏む 音や鳥の鳴き声も心地よく、分け入っても分け入っても山は続き、3合目展望所に着いた 時に漸く視界が開けました。豊洋台の町並みとその向こうの響灘を眺めながら飲むコーヒ ーは美味しかったですね。すれ違う登山者に旭がご挨拶すると「どこから来たの?幾つ? 6歳!偉いねぇ」と褒めて下さる方もいて、それが本人の励みになりました。

 ちょっとした出会いもあったんです。突然、白い子犬がひょこっと私たちの前に現れま した。その後ろから3頭の犬を連れた男性が登ってきたので少しお話をしました。この犬 は甲斐犬で、山野で狩りをする為に訓練の一環で登っているそうです。気性は強いが余り 吠えず、虎毛で舌が斑なのが特徴とのこと。白い甲斐犬(雌)は珍しいそうです。旭は犬と じゃれたり山道を行ったり来たり、しまいには私たちを置いて先に登って行きました。声 が聞こえなくなり心配しましたが、狩音山へ続く尾根で合流。猪が掘った穴を自慢げに教 えてくれました。

 足取りが重くなったママのペースに合わせ最後の急傾斜をロープを掴みよじ登ります。 やっと辿りついた山頂は、見渡す限りの青空と360度のまるごと下関の絶景が拡がっていま した。スッキリした気分で設置された鐘を鳴らし、登頂の喜びを3人で分かち合いました。 帰りの川棚温泉の湯舟で思い出すは、先に山頂に立ち私たちを待つ旭のシルエットなり。 旭、次はどの山に登ろうか?
昇より



















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