2011.05.

「今年も選書会」


 学校の体育館に爽やかな5月の風が吹きすぎる。
今年も選書会が始まりました。
いとも簡単に私達広場のスタッフは「選書会」と言うけれど、
??? それナーニ? と思う人のほうが多いはず。
今年、学校の図書室に購入する本を生徒自身が選ぶ行事の事です。
え? 先生ではなく生徒が? 
そうです、下関とその近辺ではいまやこんなふうに変わってきたのです。

従来のやり方より良い点は

(1)子どもが読みたい本が選べる。
(2)蔵書が死蔵されず、必ず借り手がいる。
(3)いままで本には無関心だった子どもが図書室に行く。
(4)なにを選んだらいいか分からない子どもには
   ブックトークで読んで見たい気持ちを引き出される。など。

投票形式にして一人だいたい3冊ずつ選び終わると、あとの余った時間は新刊500冊の中から読み放題。
これは子どもたちが大いに喜ぶ。
みんな本が好きなんじゃん! と分かります。


 いろんな学校、いろんな先生、いろんな生徒。
ふふふ、と笑える事や、え?! と驚くこともあります。
時間ギリギリになっても投票用紙を握りしめていて、先生から早くしなさいと急かされている子。
実はその子は余りにも読みたい本が沢山あって決められず、さっきから迷いに迷っているのです。
選ぶって難しいですね。
3人の男の子たちが今年人気の「トリックアート」の本を囲んで
「え?、なんでこれが顔に見えるん?絶対壷だよね」
などと盛り上がって楽しんでいるところに、スッと割り込んで
「あ、これはね目の錯覚。
 こう見たら人の横顔。
 この線は両方同じ長さ、この丸も同じ大きさ、ほら、小指の爪の大きさで同じだろ・・・」
と解説して水をさす子。
「・・・・」
「・・・」
「・・」
今はみんなだまされて楽しんでいるんだから!!
そんな理屈ばかり言ってると人生大変だよ、などと考えさせられたり。

「シリーズは真ん中の巻に票をいれたらあと全部入れてもらえるから」
などと気持ちは分かるけどそんなルールはないんだけど、というような意見を開陳している人もいる。
「早く読みたいから先生に早く図書館に出してくれるようにプレッシャーかけよ?っと」
という強者も。
なんにしろ、活き活き、ニコニコして本の傍にいる子どもたちと一緒にいるとますます面白い本を紹介したくなります。


横山眞佐子













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