2019.9.
「縄張り」
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我が家に犬のいなかった時はほとんどない。20 年くらい前までは家の外で飼われていた。好きなよう に庭を駆け回っていたのであまりリードをつけて散歩に行くということはなかった。みんなお利口で家 の中に勝手に上がってくるなんてこともなく、むしろ自分のテリトリーでないところに入るのはチョッ ト・・・という感じで一線が引かれていたみたいだった。そのかわり庭を歩くときは足の踏み場に注意 しないととんでもないことになる。今は室内も庭も当たり前のように土足で上がったり降りたりする犬 と暮らしているけれど、このワンコ、散歩に行く時必ず門のすぐ前の決まった角をクンクンし足を上げ る。「俺の家だぜ!近寄るな!」とアピール=マーキングしているのだけど他の何匹もの犬がしているに 違いない。何故ってそこだけいろんな雑草が茂るんだもん!
さて先日高速道路を車で走っていた時、二車線の真ん中に結構大きな黒い塊があり、なにか落とし物 かと見たら、なんとうんこ。驚いた!こんなに車が通る高速で、まだあんまり時間が経っているとは思 えないのに一体、いつ、どうやって、誰が?高速でなければ引き返して観察したいけどそうもいかず。 犬ということはなくきっとタヌキ。早朝両脇の山あいから出てきて道路を横切り反対側に行こうと思っ たけど、やっぱりここはもともと俺たちの住処だったのにこんな変なものができて頭にくる。「ここは俺 たちの縄張りなんだぞ!ちゃんとマークしとくから。臭い嗅げよ!!」とシルシをつけておこう。とい うことかな。
地球上の生物は 170 万種以上。それぞれが生きるために様々な戦略を持ち、多様な生態系が出来上が っている。生き残るのは大変なことでマーキング、縄張り争いは当たり前。ちょっとでもいいところは 自分のものにしたい。本当は人間だって一緒だったのかもしれないけど賢くなってチョット傲慢になっ てきたのかもね。山をスパンと切って道路にしたり、宅地にしたり自分たちのことしか考えてなくなった。けれど、草むらで縄張りのマークに落としたうんこもオシッコもしばらくしたら植物や小さな生き 物の食料になる。
ニンゲンは世界中で「俺が一番偉いんだぞ!」とアピールしたり「この土地は我々の物。お前たち出 て行け」と縄張りを主張したりするけど他の生き物のために何かした? |
横山眞佐子
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