エッセイを読む

2022年11月

コノロケ日記

我が家はみんな熱気球=バルーンが大好き。毎年11月に佐賀県で開催されるバルーンフェスタにも家族みんなで行っています。

あーちゃんを初めて連れて行ったのはまだ1歳2ヶ月の頃でした。朝の競技は7時からと早く、寒い外で見なくてはなりません。まだ赤ちゃんのあーちゃんを連れて行くのは大人のワガママなんじゃないか……悩みながら連れて行ったのを覚えていますでもいざ会場についてみると、はじめはまだ夢うつつでぼんやりしていたあーちゃんが、バルーンが膨らみだした途端に目を見開いてじっと見つめ、立ち上がっていくごとに手をたたいて喜んで、飛び立っていくと一生懸命手を振り満面の笑み。その姿を見ると悩みなんて吹き飛んで、一緒に来れてよかったと思えました。

以来あーちゃんもすっかりバルーンの虜で「ばるーん、いきたーい!」と元気に言ってくれるように。すっかり安心した大人たちにより、ぷんぷんの初バルーンは11ヶ月のときでした。

でもその後コロナ禍で会場に行けず……今年やっと3年ぶりに、焦がれていた会場からの一斉離陸を家族で見ることができました。広い会場一面にもこもこと立ち上がり、次々に飛び立っていく大きなバルーン。「いってらっしゃーい」と手を振りながら見送って、そのまま見上げた青空にたくさんのバルーンが浮かぶ光景は何度見ても不思議で、おとぎ話の世界に入ったようでした。

「ばるーん、きれいだったね。たのしかったね」

「ばーなーずおん(夜間係留の決まり文句)みんなでしたねー」

前回、赤ちゃんの時の記憶は全く残っていないぷんぷんには特に衝撃だったようで、数日経った今でも繰り返し話してくれています。夜のイベントまで楽しめたので、ぷんぷんからするとほぼ初めての夜遊び(!)も特別だったようです。

正直なところ、朝早くに子どもたちを連れてお出掛けするのは、とても大変。それでも頑張る価値のある楽しい時間を、過ごすことが出来ました。

今月のお気に入り

『あのくもなあに?』(富安陽子文/山村浩二絵/福音館書店)

青空が印象的なこの絵本。流行って毎日のように読むことはないのですが、定期的にどちらかが出してきて読んでいる、我が家でずっと定番になっている一冊です。読んだあとしばらくは空を見ながら「あのくもなあに」と指さして遊んでいます。

いまむらかな

いまむらかな プロフィール

大学時代に村中李衣先生のゼミで学び、在学中から 3年間、こどもの広場のスタッフとして過ごす。
2016年9月に長女あーちゃん、2018年12月に次女ぷんぷんが誕生。2児の母として奮闘中。

毎月のエッセイは
ひろば通信に掲載されています

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