エッセイを読む

2022年05月

コノロケ日記

春先に、私の持っていた絵本や幼年童話を手に取りやすいよう、姉妹の絵本と一緒の本棚にまとめました。読む本の選択の範囲が広がったおかげか、興味のタイミングがたまたま合っていたのか、5歳の長女あーちゃんは今、「自分で本を読む」ブームです。おもちゃで遊んでいると思っていたら、夜ごはんを先に食べ終わってぷんぷんを待っている間、ふと気付くと本棚から好きな本を取り出して、熱心に読んでいます。最初のうちは音読でしたが、あっという間に黙読も出来るようになっていました。本を読んでいる間の集中力は素晴らしく、軽く声をかけたくらいじゃ気付いてもらえないほどです。

思い返してみると、去年の春はあーちゃんがやっとひらがなに興味を持つようになって、街でひらがなの看板を見かけては読み上げてくれる様子にいちいち感動していました。早い子は3歳でも一人で絵本を読んでいて驚いたり、幼稚園の上級生から几帳面に罫線通りに文字の並ぶお手紙をもらってきて、同じ年になる頃にあーちゃんにこんなことができるなんて思えない!と焦ったり、絵本を読んでもらうのは好きなわりになかなかひらがなへは興味が行かないあーちゃんに気を揉んでいたので、少しひらがなを読めるようになっただけでもとても嬉しかったのを覚えています。そのうちにあっという間に書けるようになって驚いて、一度ブームが落ち着いてしまうと、書き間違いだらけのお手紙をたまにもらって、嬉しい反面心配になり……私が勝手にそわそわしている間に、あーちゃんは一人で本を読んで理解して、本の世界に没入出来るようになっていたのです。

他の子と比べません。本人のタイミングで成長します。わかっています。わかっているけれど!今日も勝手に心配しては、成長している娘たちに驚かされたり脱力したりの毎日です。

今月のお気に入り


『やさいさん』tuperatupera作/学研


『カレーライス』小西英子作/福音館書店

み んなで絵本を読むのも変わらず楽しい時間。やさいさんで収穫した野菜でカレーライス作ったら、大盛りあがりでした。赤ちゃん絵本も年齢によって楽しみ方が変わってきています。カレーに使わないサトイモは「またうめるー!」そうです。

いまむらかな

いまむらかな プロフィール

大学時代に村中李衣先生のゼミで学び、在学中から 3年間、こどもの広場のスタッフとして過ごす。
2016年9月に長女あーちゃん、2018年12月に次女ぷんぷんが誕生。2児の母として奮闘中。

毎月のエッセイは
ひろば通信に掲載されています

ひろば通信には新刊の情報やこころがほっこりするエッセイが盛り沢山!