エッセイを読む

2023年07月

コノロケ日記

この春、宿題中のあーちゃんにどうしても話しかけたくなってしまうぷんぷんのため「一緒にお勉強しよう」とひらがなのワークブックを買いました。なぞり書きが中心の単純なものでしたが、とても嬉しそうに書いていました。わからないところはどんどんあーちゃんに聞くので、お邪魔対策にはなりませんでしたけど。

一冊終える頃にはあーちゃんが宿題している姿にも慣れてきたのか、特に新しいものを欲しがるでもなくお勉強は満足した様子。それでもふと気づくと「お・む・ら・い・す」と一文字ずつ追いながら声に出して読んでいたり、食べたいものリクエストを書く冷蔵庫のホワイトボードに「や・き・に・く」と急に書き始めたり……ワークブックの効果か、たまたま興味のタイミングにハマっただけか、あっという間にほぼ五十音読めるようになっていました。文字が読めるようになるということは、世界から受け取る情報が急に増えるということ。

子どもにとっては革命的な出来事ですよね。

あーちゃんのランドセルをのぞいては「せ・い・か・つ」「こ・く・ご」と教科書の表紙。自分の握っている色鉛筆をまじまじと見ては「す・み・れ・い・ろ」と色名。日常の中にたくさん隠れていたひらがなに気付いては忙しそうに読み上げています。「し・よ、じゃないんとよ。し・お、なんとよ」

大好きな梅ごま塩ふりかけのパッケージが読めるようになっての発見は特に衝撃だったようで、何度も教えてくれました。

ぷんぷんの世界に一つ一つ名前が増えていく様子。二人目の油断であーちゃんの時ほどじっくり観察できていないのが悔しいのですが、その分超スピードで成長していくぷんぷんに、目を見張る毎日です。
最後に、今回どうしても伝えたい惚気話を一つ。ぷんぷんが一番最初にお手本なしでも書けるようになったひらがなは「ま」でした。なぜなら「まま」にお手紙を書きたかったから!そんな可愛い理由ある!?久しぶりにとろけるような出来事でした。

今月のお気に入り

『ぐりとぐらとくるりくら』
なかがわりえこ作/やまわきゆりこ絵/福音館書店

一人でも読めるからか絵本を開いていることが増えたぷんぷんが「こっちのぼうしおおきい!」とぐりの青い帽子のほうが大きいことを発見。全く気付いていなかった私とあーちゃんが驚いていると得意満面でした。

いまむらかな

いまむらかな プロフィール

大学時代に村中李衣先生のゼミで学び、在学中から 3年間、こどもの広場のスタッフとして過ごす。
2016年9月に長女あーちゃん、2018年12月に次女ぷんぷんが誕生。2児の母として奮闘中。

毎月のエッセイは
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