我が家には2体のテディベアがいます。その名も「あーくま」と「ぷんくま」なんともそのままな名前で呼ばれるくまちゃんたちは、あーちゃんとぷんぷんそれぞれの1歳のお誕生日に、我が家にやってきました。以来くまちゃんたちはいつでも姉妹のそばにいて、おままごとの赤ちゃんになったり、毎晩一緒にベッドで眠ったり、お出かけに連れて行ったり、すっかり日常に溶け込んでいます。
あーちゃんの1歳のお誕生日が近づいてきた頃、プレゼントにお人形をあげたいなと考えたのは、私にも大切なお人形の「ななちゃん」がいたからでした。兄弟のいない私にとってななちゃんは妹のような存在で、いつも一緒に遊んでいたのを覚えています。そこでまだ兄弟のいなかったあーちゃんにも相棒を…と、テディベアを選びました。はじめてお店に行ったときから決めていた訳ではなかったのですが、店先であーちゃんにテディベアを見せた瞬間、パーッと顔が輝いたのです。「こんな顔見せられたら、プレゼントはくまさんに決まりやね」と、あーくまちゃんは我が家にやってくることになったのでした。
時は流れ、ぷんぷんの1歳のお誕生日。あーくまちゃんがすでに大好きだったぷんぷんにも自分のくまさんを……と選んだのはあーくまちゃんに顔立ちがよく似た少し色の薄いテディベア。目に入った瞬間から、ぷんぷんがじーっと見つめ続けていたので、迷わず決まりました。こうして、仲良し姉妹の相棒は、姉妹のようにそっくりなくまちゃんたちになったのです。
実は、ななちゃんは寝かせると目を閉じる赤ちゃん人形だったので、はじめはあーちゃんにも同じような赤ちゃん人形を考えていました。でも、私の中でななちゃんが大切な記憶すぎて他の赤ちゃん人形が可愛く見えず……結局、選ぶことが出来なくて、雰囲気の全く違うお人形になったのでした。あーくまちゃんとぷんくまちゃんも、あーちゃんとぷんぷんにとって唯一無二の存在として、これからもそばにいてくれたらと思います。
今月のお気に入り『パンやのくまさん』
フィービとセルビ・ウォージントン作・絵/まさきるりこ訳/福音館書店
パンを作って売って、休憩やごはんの時間もあって、淡々とパン屋さんの日常を過ごすくまさん。気になるお仕事の様子が覗ける、お気に入りのシリーズです。
いまむらかな