エッセイを読む

2025年11月

コノロケ日記

子どもの頃から、みんなよく歌う家で育ちました。祖母は毎夕料理をしながら歌っていたし、母とは歌番組を見ながらいつも大合唱。父は手遊び歌に詳しくて、あれこれ教えてもらっては一緒に歌っていました。普段は無口な叔父ですらお風呂から鼻歌が聞こえていたので、日々の中で歌うって自然なことだと思っていました。結婚して、料理しながら鼻歌を歌っていることを夫に驚かれて、日常的に歌わない家もあるんだと逆に驚いたくらいです。

もちろん、あーちゃんとぷんぷんにもたくさん歌をうたってきました。赤ちゃんのうちは特に料理をしながら、洗濯物を干しながら、「ちょうちょう」「きらきら星」といった童謡を歌っていました。少し大きくなってきてからは、教育番組の歌を一緒に覚えて歌ったり、あーちゃんぷんぷんが幼稚園で覚えてきた歌を教えてもらうこともありました。ぷんぷんはいまだに夜寝る前には「おうたうたって」と、子守歌がかかせません。

ところが、あーちゃんが小学生になった頃から、また少し状況が変わってきました。お友達や校内放送から覚えてきた歌をあれこれ歌ってくれるようになったのです。最近流行りのアーティストの歌、SNS のBGM によく使われているキャッチーな歌、色々聴いてみるようになると刺激たっぷり魅力的ですっかり夢中。あまりに毎日歌って踊っているので、先日久しぶりにカラオケにも行ってみました。前日から歌いたい歌を紙に書き出したり「いっしょにうたいたいからおぼえて」と私に練習させたり、とっても楽しみにしていた二人は、飽きることもなく2時間半。歌い倒して堪能していました。

私が子どもの頃は好きな歌を聴こうと思ったら、歌番組を見るか、お小遣いを貯めてCDを買うか、レンタルショップで借りてきて録音するか、聴くまでに少し距離が有ったように思います。でも今はちょっと気になる歌があればAI スピーカーに向かって「〇〇かけて」と頼むだけで聴けてしまうのです。だから情報がびっくりするくらい早い。次から次に新しい歌を覚えては歌ってくれるあーちゃんぷんぷんに、すっかり置いてけぼりになっているこの頃です。

今月のお気に入り

『たこやきのたこさぶろう』(長谷川義史作/小学館)

絵本に出てくる歌をうたうのもみんな大好き。先日行った長谷川義史さんの絵本ライブでも、ぷんぷんは長谷川さんがウクレレで歌ってくれた絵本を選びました。帰ってからはうろ覚えで繰り返し歌っているので、そろそろ正解がわからなくなってきちゃってます。

いまむらかな

いまむらかな プロフィール

大学時代に村中李衣先生のゼミで学び、在学中から 3年間、こどもの広場のスタッフとして過ごす。
2016年9月に長女あーちゃん、2018年12月に次女ぷんぷんが誕生。2児の母として奮闘中。

毎月のエッセイは
ひろば通信に掲載されています

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