旭にサンタからのクリスマスプレゼントが届いた。任天堂のゲーム機。昨年は思っていた物とは違う贈りものに「サンタさん間違えた」と言って肩を落としていた彼にとって、ツリーのもとに届けられたプレゼントは念願叶ったもので、その喜びようったらない。
昨年の旭はツリーに「プレゼント下さい」とお祈りしていたが、今年はしていなかった。理由を聞くと、去年の手違いが心に残っているからだと言う。それでもクリスマスの前夜、ママに促されサンタさんへのお手紙と牛乳とクッキーをテーブルに置き、サンタさんを心待ちして眠った。翌朝、手紙は消えたが飲み残しの牛乳のそばに「プレゼント捜しカード」が添えられていた。旭は家中のカードを見つけ、サンタからのなぞなぞを解き、ツリーの根元にあるプレゼントに行きついた次第である。達成感からか満面の笑みで彼が言った一言を私たち夫婦は生涯忘れることはないだろう。「これでクラス全員ゲーム持ってるわ」「何でわかるん?」とママが聞くと「顔やね。顔でわかる」と仰ったのである。ホント欲しかったんだね。サンタさんも約束を果たせてホッとしていることだろうに。
そこからは、我が家と旭とゲームの生活が始まった。ママとも相談して冬休み中はルールを設けることなく好きなだけさせてやり、お正月に実家へお泊りに行った際も親戚の子どもたちと夢中になって遊ぶ姿に喜んだりもした。が、結論から言うとゲームはケンカの火種になる。時間制限も守るようで守らない時もあるし、お返事もおろそかになったり、「ゲームは宿題してからでしょ!!」と言うと「えーっ」と不満な声を上げる。最初はじっと堪えていたママも最後は堪忍袋の緒が切れて「そんな態度ならゲームをサンタに返すよ!!」ゲーム機をへし折ったご家庭もあるとか・・・我が家はまだその領域には達していないが、ルールはちゃんと、約束はきちんと守ろうね、旭。どうなることやら。
昇より