10年前の自分からハガキが届いた。
2011年10月23日、当時開催されていた「おいでませ山口国体」の「未来への葉書」というイベントに、ママと旭を連れて維新百年公園まで投函しに行った。ことをハガキが届くまですっかり忘れていた。『1歳の君は家の中を元気に走り回り、ダッコダッコと言ってお母さんに甘えています。犬のビビちゃん(ビーグルのぬいぐるみ)に頬ずりしたり、毎日お父さんに絵本をたくさん持ってきて、読んでとせがむ男の子だよ』読みながら思い出してきた。ママのハガキには『11歳の旭くんはどんな男の子になっているのでしょうか?10年前の今、色々想像して楽しみにしています。何はともあれ、みんな元気で、家族仲良く楽しく過ごしていることを願っています。』ママのハガキの宛先は私と旭。聞くと「私にもしものことがあったらいけないと思ったから」なんだとか。11歳になった息子については「わりかし大人なんだな。人間としてもう完成しているな。」と思ったそうな。
ハガキには、マスコットキャラクターちょるるのスタンプで「たちあがれ!東北がんばろう!日本」と押してある。東日本大震災からパンデミックの10年でもあった。光陰矢の如し。色んな想いが去来する。ハガキの最後に40歳の私から50歳の私へ「振り向くな振り向くな後ろには夢がない(寺山修司)前を向いてしっかり生きろ!」とエールが送られていた。そうだね。思いがけない贈り物を届けてくれた10年前の自分と、ずっとそばにいてくれた家族に感謝ですな。県庁によると、「未来への葉書」は12,798枚届けられた。受け取った人たちそれぞれの顔を想像すると、気持ちが明るくなる。
そうそう。ママのハガキから2011年10月22日にこの「あさひはのぼる」の第一回の原稿を書いていることが分かり、『今も連載は続いているのか?』とある。お陰様で。今号で111回、丸10年を迎えました(笑)
旭がハガキを読んだ。どうだったと聞くと「親からの手紙ってこんなものかな。」なんだとか。こんな11歳になっていた。
ママの見識は間違ってなかったね。
山中 昇