エッセイを読む

2021年12月

あさひはのぼる

 今年一年を振り返る旭にまつわるエトセトラ。

【一月】8日始業式に雪が積もる。近所の女の子たちと雪合戦して、「おしくらまんじゅうしよう」と誘われるも照れる。

【二月】銭湯へ。番台の女将さんから「ベルマーク」を学校に届けて欲しいと言付かり、コーヒー牛乳をご馳走になる。ご満悦。

【三月】文章力あり。議論の際はハキハキ進行。男女問わず沢山の友だちと過ごす。五年生の「あゆみ」より。

【四月】私の母校での撮影にエキストラで参加。歴史ある大理石の階段手摺りに足を引掛け勢いよく滑る。親子で同じことして不思議。

【五月】祖母に「キウイ食べる?」と聞かれ、出されて食べたら青臭い。「アボカド」だった。祖母気づかず「あらやだー」だって!チャーミング。

【六月】日和山公園で一緒に水鉄砲をかけあって遊ぶ。「久しぶりにパパと遊んだ」と言われた。

【七月】海へ。二年振り。浮き輪で浮いたり、砂に埋められたり、ボールを投げ合ったりして楽しかったね。旭は友達と初めて海に行けて大満足でした。

【八月】美術館で行われた竹とんぼ作りに参加したり、木のベンチを上手に作ったね。手先が器用な所は母方の血筋で間違いない。

【九月】市内読書感想文コンクールで入賞。こっちは父方。因みに選んだ本は、「カレーライスを一から作る」でした。

【十月】参観日は英語の授業。電子黒板にタブレット。中一レベルの内容と環境に驚く。手を挙げ起立した旭は「タイガー」と発音して着席し、私に手を振った。

【十一月】長崎・熊本へ一泊二日の修学旅行。綺麗な朝陽が昇ってるよ。出発日の朝、ママがそう言って彼を送り出した。

【十二月】旭に自転車をプレゼント。念願叶ってすぐに練習開始。15分もしないうちに乗れるようになる。いつもの景色が違って見えたそうな。

 最近私がしつこく絡むと困った顔して「面倒くさい」と言います。来てます?思春期?嫌われずに可愛がってもらうことが私の来年の抱負です。皆さん、良いお年を。

山中昇

山中昇プロフィール

1971年7月14日生まれ。 地元下関の高校を卒業後、東京の大学に進学&卒業。雑誌編集の仕事と、劇団員を経験したのち地元に戻り、1998年地元下関に開局したComeon! FMに勤務。制作部長として番組制作に取り組む。
2008年FM開局当初から一緒に番組を担当していたパーソナリティーと結婚。2010年3月長男旭誕生。1児の父となる。

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