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2024年12月

自分に挑戦

年末のちょっとした掃除の時に、長い間開けていなかった引き出しを開けてみた。中にはトランプ,百人一首、将棋の駒、オセロゲーム。見た途端に子ども時代を思い出しました。夕食が終わると父が引き出しからトランプを出してきて「はい、やるよ」最初は「ババ抜き」それから「七並べ」「大富豪」「ポーカー」とだんだん難しくなっていきます。しかも父が作った厚紙のお金が配られる。10 円とか 5円とか。それを「賭ける」。今こんな事を書いたら「賭け事!!」と叱れれそうですが、これは我が家だけの遊びでした。ある日、学校にトランプを持って行き、授業の前、後ろの床に座って皆んなで楽しく遊んでいたら先生に取り上げられました。「賭け事はいけません!」

我が家では、家族みんなでする楽しい遊びなのに、外に持っていくと違うものに変化?

そのうち家での遊びも「百人一首」になり「囲碁」になり、ついに卒業。今ではこんな遊びを家族でするということも聞かなくなりました。親も子もついつい本気になって一緒の時間を過ごすという家族団欒の時にこそ、勝ったり負けたり、それでも挑戦、悔しいから更に次にという心の成長があったような気がします。父も母も相当本気で勝負していたのです。

先日ある幼稚園に行きました。周りを小さな森に囲まれて、園庭からその山道に入る野道があります。子ども達が先生と一緒に走ってその道に入り始めました。一列になりながら並んで斜面を走っています。楽しそうだなと眺めていたら、しばらくして別の道から出てきました。子ども達には結構ハードな山道かな?と思っていましたが、どの子も両手をイチ・ニ、イチ・ニと振りながら駆け足です。体力がなく運動が苦手だった幼稚園時代の私を思い出し、全員走れるのかな?私みたいにトボトボ歩く子どもはいないのかな?との心配は無用でした。勝ち負け関係なく、早い子も遅い子も全員自分のペースで本気で走っていました。中でも一番本気は、トップを走ってた先生でしたよ。

横山眞佐子

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