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2024年02月

地球の一員

我が家の庭にある桜の木。春になると花越しに関門海峡と門司港の景色が見られます。今年はもう枝先がほのかに色付いています。通信がお手元に届く頃には、ちらほら花が開いているかも。私たちが子どもの頃、4月の入学式には校庭の桜が満開になりその下で写真を撮る。そんな記憶のある方もたくさんでしょうが、今年はもしかしたら新緑の葉桜の下?

年々季節の変化が速度を増しているような。そしてふと考えます。なぜ?たった60〜70年くらいの間に激変した日常生活。子どもの頃 冬は火鉢、夏は窓全開。練炭七輪、薪を割ってお風呂の焚き付け。移動はチンチン電車か徒歩。洋服はお下がりで着回し、鉛筆は短くなるとナイフで削って使っていた。「それなあに?」と言われそうですが、技術、産業、社会の変化は知らないうちに私たちの生活を便利に変えてしまいました。

先日、山口県内で様々な活動をされている方達にお会いするチャンスに恵まれました。中でも今の時代に生きながら一番大切な『持続可能な暮らし』を模索し、生きている方々。

家族みんなで自然農法の野菜やお米を作りながら、一方では世界に向けて講演・書籍で、今を発信されている人。その手のかかったお米でお酒を作る人。

『持続可能』とは何かを考えさせられました。便利を求めると何かを犠牲に。スイッチ一つで部屋中明るく暖かく。エンジンをかければ車は進む。断捨離と言われ、大事に溜め込んだ洋服を捨てる。「なんだか変だな?」と思うことが出来るといいですね。

地球の温暖化が進んでいると言われていますが、それは誰のせい?だから確実に進んでいる変化を感じ取らなくてはなりません。そう思って庭に出てみると、あたりは雑草園になっています。

いや!ごめんなさい。「雑草」なんて言ってはいけません。ナズナ、ヨモギ、ハコベ、ホトケノザ、チガヤ、スズメのエンドウ、フキノトウ。みんな一つ一つ地球の一員としての名前がありますね。

横山眞佐子

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