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2021年10月

 気候の変化についていけなーい!年齢とともに外気温にすぐには対応できない状態になってきたんだけど、さらに夏物から秋冬物に洋服を入れ替える作業が面倒!整理整頓、断捨離なんて言葉は私の頭上をすり抜けていって、20年も前の服をまたケースに仕舞い込んでいるのです。でも私のクローゼットにほとんどない物があります。スカート。

 「こどもの広場」を始めた途端に考えてもなかったことに遭遇しました。本は重い、本屋は重労働という事。当たり前ですが箱いっぱいに詰められて運ばれた本は20kg以上。10箱で!?そんなの運べなーいなんて言ってる場合ではありません。「スカートは無理」。以来40年以上ズボン、パンツを履くのが日常になってしまいました。

 選書会などで制服のある学校に行きます。体育館の中で床に座って体育座りをしている子どもたち。学年が上がり背も伸びてきた女の子達が気にしながらスカートを引っ張っている事もあります。制服の世界では女の子がズボン、男の子がスカートというのはまだあり得ませんね。

 近頃はジェンダーの問題などからも服装が取り上げられている本も増えています。「スカートはかなきゃダメですか?ジャージで学校」(名取寛人/理論社)女として生まれた作者が中高生時代をジャージで過ごした話や「おれは女の子だ」(本田久作/市居みか/ポプラ社)何でも決めつけで言わないように想像しようって、スカートはいてみたオレ。などです。

 でも街に出ると、あるいはファッションの世界では女性がパンツスタイルでいるのは普通になってきました。いやもしかしたら、今では、オシャレだし動きやすいし主流になってきたかもしれません。着衣というものはその国の文化と深く結びついているからこそ、正解なんてないのかもしれません。袴や着物、スコットランドのタータンチェックのスカート、一枚の布で身体を覆う、何も着てない人たちもいます。スカートもパンツもその他諸々がその人の一番気持ちの良い選択で纏えるようになったらいいのに。

 今ではパンツが一番私にピッタリと思っていますが、数枚残っているスカートいつか履いてみるぞー!入るかなあ〜。

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