生まれてから、我が家で犬のいないことはありませんでした.最初の犬の記憶は黒くて怖い犬でした。いつも家の裏に繋がれ、人が来ると吠えて番犬としては良かったのでしょうが、ある日綱が外れて私が伸ばした手をガブリと噛みました。今でもその傷跡は残っていて、その日から犬の事を意識する様になった気がします。以来クロ、シロ、ハチ、ミミ、タロウ、サラ・・そして遂にその最後の犬ゼゼがこの春亡くなりました。市の保護センターで引き取り手がなければもうすぐ殺処分というギリギリの日に、母が「この子を連れて帰る」と即決して家族になったのです。高齢の母が寝る時はベットの下、介護の方が来ると母にぴったりくっついて「おれの母ちゃんに手を出すな、ウー!」。母も犬もいなくなり家の中は静かです。ちょっと寂しい。
ところがそれを知ってか知らずか、このところ雀が 5〜6 羽群れで庭にやってきます。ちょっと硬くなったパンやご飯を撒くと、誰か見張っているのかと思うほど素早く飛んで来るのです。それぞれの見分けがつかないけれど、中で一羽だけ大胆な雀がいて私はちゅん吉と名付けています。ドアを開けパンくずを撒きながら「ちゅん吉〜」と呼ぶと、どんどん私の足元近くまでやってきます。雀は仲間同士では色々な鳴き方でコミュニケーションをとっているそうですが、人間の言葉がわかるのだろうか?そうこうするうちに向かいの電信柱にカラスがとまりこちらをじっと観察している様です。私がドアから離れるや否や、パッと飛んで来て大きなパンくずを咥えて去っていきます。「カアゥ カアゥ」と鳴き声が聞こえますが、誰かに伝達しているのか?
そんな時にぴったりの本『動物たちはなにをしゃべっているのか?』を読みました。霊長類学者の山際寿一さんと動物言語学者の鈴木俊貴さんの共著。動物は、私たちが想像するよりずっと複雑なメッセージをやり取りしているんですって。
コミュニケーションツールの一つである言葉を使う私たちも、くっついたり離れたり、喋ったり泣いたりしてこその人間です。
横山眞佐子
